ツーリング等に行くときに、いかに荷物をコンパクトにまとめるかは非常に重要な課題である。
車ならたくさん荷物を積めるが、バイクや自転車、ましてや徒歩になると、いかに荷物を切りつめるか、いかにコンパクトにパッキングするかに悩むこととなる。特に、シュラフ(いわゆる寝袋)は質量がない割にかさばるしろもの。キャンプ用品の中でも体積を取るものの一つである。これをコンパクト化するのがこのコンプレッションベルトである。
今回紹介するコンプレッションベルトは、実はちゃんと売られている製品があるのだが、その構造があまりに簡単なので自分で作ってしまったものである。
もちろん製品のほうが見栄え、使い勝手ともにいいが、どうせ五十歩百歩なので妥協するだけ妥協して、こんなに簡単な構造となった。
一見、ただのベルトが2本あるだけに見えるが、実はそうである。
製品は、実はこの2本のベルトを1辺20cmくらいのナイロンの布に対角線方向に縫いつけてあるだけ。
もし、丈夫な布が手に入るようであれば、そこまで凝ってもいいかもしれない。
構造は、ベルトの先にプラスチックのバックルがついているだけである。
製品で使用しているバックルも、これと同様のものである。
このバックル、結構いろいろなところで使われているので、皆さんも見たことがあることと思う。
ホームセンターやディスカウントショップ、登山用品を扱っているスポーツ用品店などで手に入る。手芸店にもあるかもしれない。
このバックルとナイロンベルトを購入してきて、ベルトにバックルを縫いつけるだけである。
ナイロンベルトは幅25mmのものを使用した。
ナイロンベルトは好みの長さにハサミで切り、切った部分がほつれてこないように軽く火であぶっておく。あまり熱をかけすぎると焼けこげてぼろぼろになるので程々に。
では、このベルトの威力を見てみよう。
左が通常状態のシュラフ、右がこのベルトで圧縮したものである。
ほぼ半分くらいまで圧縮されているがわかる。納得していただけただろうか。
このベルトは、シュラフだけでなく、衣類などのかさばる物にも多少は有効である。特に、フリースのウェアには効果が高い。ゴールデンウィークの旅行では、寒暖の差が激しいのでコンパクトにしたフリースを持ち歩けるというのはありがたいものである。このベルトでシュラフを圧縮した場合、テントを設営したらすぐにシュラフを拡げて充分空気を含ませ、ふかふかの状態に戻してあげることが必要である。
もっともこの点に関しては、コンプレッションベルトで圧縮していなくても付属のカバーに入れる時点でそこそこ圧縮されているので、テントを設営したらシュラフを拡げるというのは習慣にしてもよいだろう。それともう一つ、出発時点から圧縮しておくのはやめたほうがよい。最初から圧縮しておいて、つい荷物を目いっぱい入れてしまうと余裕がなくなる。
日程が進むにつれて荷物がかさばってくるので、そのときに初めて実行するとありがたみもひとしおとなる。これでパッキング時にむりやり荷物を押しこんで、バッグのファスナーを壊すことも少なくなることと思う。
では、良い旅を。