キャンプ用スペシャル懐中電灯

前置き

 最近のアウトドアブームでキャンプをする人も増えていると思う。
 それはそれでいいのだろうけど、みんな持ってくる道具が立派過ぎて「それなら家の中にいるのと変わらないじゃないか」みたいな気がする。
 その点、オートバイや自転車で旅行する人は荷物を減らす必要があるので、それなりに工夫していると思う。
 とは言ってもここ数年の流行として「ただバイクで走り回ってキャンプをするだけではなく、プラスαの遊びを持ち込む」という傾向がある。
 残念ながら私はそこまでの境地に達していなく、単に走り回って、寝るためにキャンプをするのでも充分楽しいと思っている。

 キャンプ場に電気炊飯器やカラオケを持ち込むのはやめてほしい。
 それと同様、やたらと明るいランタンをともすのも勘弁してほしい。
 まぁ、ファミリーキャンプでおとうさんの家族サービスならばしかたがないと思うが、「俺はアウトドアマンだ」みたいな人がそんな贅沢なキャンプをするのは何か間違っていると思う。

 そもそも明るい照明があると人間は安心してしまい、自然の中にいる感じがなくなってしまう。それにまぶしくて星が見えないではないか。
 やっぱり闇を感じること、自然に対する恐怖とか敬意とか、普段見ることのない無数の星に圧倒されて宇宙の深遠を覗いたような気分になれるのがいいんじゃないか。
 てな訳で私はランタン不要論(笑)を唱えているのである。

 一方、ヘッドライトを愛用する人も多い。
 このヘッドライトは本当に最低限の場所を照らすので、ランタンに比べるとはるかにすてきな物である。両手が使えるという便利さも捨てがたい。
 でも、頭にライトをつけているとなんか邪魔な感じがするのと、ほとんどのヘッドライトは単三電池を使うので使用時間が短いこと、それに自分の手元しか照らさない器量の狭さ(笑)が個人的にはなじめない。(1999/04現在)

 そんなこんなで一時は携帯用の蛍光燈も使ってみたことがあったが、これは虫が寄ってくるので非常によくない。わざわざ虫を呼び寄せる必要なんかこれっぽちもないのだから。

 で、結局懐中電灯に落ちつくのであった。
 なんだか本筋よりも長いのではないかと思えるような余計な前置きだなぁ。


と、いう訳で懐中電灯

 現在愛用しているのが富士通製のBL-121という懐中電灯。
 シンプルな構造によくできた反射鏡、単一電池2本でクリブトン球を点灯させているのでかなり明るい。さらに50m防水という高性能。それに加えて購入価格が700円くらい(定価の事ではない)というのは非常にありがたい製品である。
 性能的にはもっといい製品はあるのだが、コストパフォーマンスではこいつが最高と思える。
 外部にスイッチは付いていない。レンズ部分を回すことによりON/OFFするのである。そのレンズと本体の間にはOリングが入っていて、これだけで50m防水を達成しているというシンプルな造りである。
 写真の赤い線の右側に黒い物が見えると思うが、これがそのOリングである。

 後ろの方にはベルトなどに引っ掛けられるようなフックがあったのだが、ベルトに引っ掛けると足(足元とは言えない)しか照らさないので使い道がない上に、妙に邪魔だったので折り取った。
 代わりにひもをつけた。
 ひもには長さやぶら下げた時の角度が調整できるようにコードロックを、テントの中のリングに取り付けやすいように古くなったかばんからはずしてきたプラスチックのフックをつけてある。これはかなり便利である。

 この懐中電灯をキャンプに使うことの最大の欠点は、その反射鏡の良さによる明るさとビームの細さである。ほとんどサーチライトといってもいい。
 これをバイクのハンドルとかに付けて調理をしている場所を照らすと、本当に狭い範囲しか照らしてくれない。そこだけ異常にまぶしいのである。
 ならばどうするか。
 答えは簡単である。反射鏡の精度を落とせばいいのである。
 答えは簡単だが、どうやって実現するか。それもノーマルの性能が非常によいのでそれを捨てることなく、いつでもノーマルに戻せる状態にすることが大事である。
 と、いうことで反射鏡を作ってしまったのである。

 スペシャル反射鏡
 写真を見てほしい。光がうまく乱反射するように細かい凹凸をつけた反射鏡が装着されている。
 これでバイクのハンドルからつるすと、だいたい直径2mくらいをぼんやりと照らしてくれる。明るさは落ちるが、暗い中で料理をしたり、テントの中で荷物を整理するには充分な明るさである。何よりもまぶしくないのがいい。目的は完璧に達成され、非常に満足している。
 

 さて、この反射鏡、どうやって作ったのだろうかと疑問に思う人もいるかと思う。
 この写真を見てほしい。この懐中電灯を構成している全パーツである。
 非常にシンプルであり、反射鏡が美しく、レンズに余計な物が付いていないのがわかると思う。
 この反射鏡は通常の安物懐中電灯の皿型の物とは違い、二次曲線(多分)で設計されており、ビームが綺麗に収束するようになっている。さらに反射率の高いいいメッキを使っているようだ

 で、ポイントになるのが下中央にあるざらついた反射鏡。
 この正体というのが何を隠そうほとんどの家庭の台所にあると思われるアルミホイルなのである。
 これを適当な大きさに切ってクシャクシャに丸め、それを破かないように丁寧に広げ、反射鏡に形を合わせて余計な部分を切り取るのである。言うだけなら簡単である。

 1つ目のポイントとしてはクシャクシャの度合である。
 あまりクシャクシャにしすぎて凹凸が細かくなると元の反射鏡と同じように光が中央にのみ集まってくる。かといってクシャクシャの度合が少ないとまるでミラーボールのごとく光のまだらができてしまう。キャンプ場はディスコやカラオケBOXではないのだ。

 2つ目のポイントはクシャクシャに丸めた時に広げやすいように丸めることである。
 これに関してはどうにも説明のしようがない。やった本人も方法を忘れているのである。

 どちらのポイントにしても、読んだからといってすぐにうまく行くという物ではない。
 何回も試行錯誤を必要とする根気のいる作業である。各自でいろいろと試して自分の好みになるように調整してほしい。って、やる人がいるかどうかは疑問だけど。
 何回やり直したとしても材料費はただみたいな物なので安心して失敗できるというのが利点である。

 皆さんも便利さを買ってくるのではなく、自分の工夫で必要最低限の便利な環境を作りあげ、より自然に近いキャンプを楽しんでほしいと思う。
 


 蛇足ではあるが、最近のアウトドアブームのおかげでキャンプ場の整備が進み、やたらと便利になってきたが、その分値段が高くなり、私のような一人がやっと寝ることができるようなテントでさえも5,000円とかを要求してくる場所が出てきたのは悲しいことである。さらに予約が必要というのはもはやキャンプとかアウトドアではないと思う。
 このブームに乗っている人達はほとんどが滞在型キャンプなので、「リゾートマンションが買えないので土地を借りている」という感じなのではないだろうか。

 今までは自然に与えるインパクトを考慮してできる限りキャンプ場を利用していたが、この調子だとキャンプ場の利用を考える必要がある。そもそも予約が必要ということはキャンプ場が使えないに等しい。
 値段にしても安くあげるための手段としてテントを使っているのだが、この値段が蔓延するのであればビジネスホテルを使ったほうがよっぽど快適で荷物も減らせる。
 それに自然破壊をアウトドアと思っている輩が多いのには困った物である。
 アウトドア雑誌も快適なキャンプとかかっこいいキャンプ、高級な道具を紹介する前に自然の大切さをきっちりと説明するべきではないだろうか。ま、そんな雑誌は売れないんだろうけどね。
 

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