鶴ヶ池
いくつかある登山ルートで私が選んだのは、現在位置から一番入口が近い鶴ヶ池経由。
お花畑経由のほうが距離は短そうだったのだが、せっかくなんで池も眺めてみようかと。
見知らぬおじさんが「コロナ観測所はこの道でいいんですかねぇ」と聞いてくる。
私も観光客だ、そんなこと知るかい(笑)。
とりあえず私の記憶の中の看板によるとそれっぽいので「そうじゃないんですか?」と答えておく。
駐車場から池を回るように道が続いている。
ほとんど平坦といってもいいくらいゆるい坂。
写真で向こう側にみえるのが駐車場。
連休明けの平日水曜日だというのに車だらけである。
こんなときに会社を休むやつなんて、よほど仕事不熱心で会社から必要とされていないやつだと思っていたのだが、そういうやつが大勢いるらしい(笑)。
定年を過ぎた老夫婦などに混じって若いやつも結構いる。というかかなりいる。
いくらなんでも「仕事がないんでここに遊びに来た」という人ばかりとは思えないが(笑)。
池をぐるっと回っていくと、なんと駐車場の入口の近く、というか、エコーラインとの分岐点近くまで戻ってきている。
ちっ、こんなことならここの路肩にバイクを止めておけばよかった。
おもわず駐車場に戻ってバイクをここまで持ってきたい衝動にかられる。
肩の小屋へ向かう道。
ほとんど真っ平ら。
車も通っていた。もちろん許可車両だと思うが。
ここで既に頂上が見えるので「こりゃ行かないといけないなぁ」と妙にやる気を出させてくれる。
向こうに雪渓が見える。
よく見ると、人が歩いていたりする。
エコーラインの肩の小屋口バス亭からの登山道だとあの辺を通るのかな?。
距離が短い分、かなり傾斜はきつそうだが。
事前に地図で近そうな登山道を調べておいたのだが、肩の小屋口からのほうはかなり斜度がきつそうだったので一般的な畳平からの登山としたのだが、それでも歩くペースがつかめるまではちょこちょこ休憩をしていたので、こっちのルートで正解というところか。
というか、気温が低そうだったのでバイクに乗っているときと同じ格好で歩いていたのだが、歩くとすぐに暑くなる体質なので厚着だとすぐに息が上がってしまうのである。
歩くにつれて秋ジャケットを脱ぎ、フリースを脱ぎ、長袖シャツだけとなる。
ほとんど夏服である。
エコーラインである。
道が道なので、肩の小屋までは割と順調に辿り着いた。
とか言いつつ、結構ゼイゼイ言っていたりするが(笑)。
しまった土の上に荒い砂が撒いてあるという感じの道なので、見かけよりもすべりやすく、余計な体力を使っていたのかもしれない。
ここから先はトイレはないので、とにかく用をたしておく。
環境保全用に寄付金を払ってくれと書いてあるので、とりあえずお金を入れておく。
肩の小屋からはやや荒れた感じの道。
斜度も今までよりややきつくなっており、今まで平坦な道を歩いてきた足にはかなり負担が大きい。
おそらく、ここをしばらく登って左に曲がった辺り(写真の真ん中よりやや上のあたり)が精神的に一番きついのではないだろうか。
予想以上に疲れる。
息も上がってきているし、心臓もバクバク言っている。
足も重い。
さすがに空気が薄いのだろう。
というよりも、体力がないというのが本当のところなのだが(笑)。
この辺にくると、数分歩いては同じくらい休むという繰り返しになる。
心拍数が落ちつけばまた同じペースで登れるというのがせめてもの、というところ。
これもエコーラインだが、かなり下に見えるようになった。
いよいよ頂上手前。
ほとんど岩山である。
頂上に建物があるのがわかると思うが、神社の出張所。
人も多いので、この写真では岩なのか人なのか区別がつかないところがとっても素敵な連休直後の平日の山である。
みんな仕事しろよ(笑)。
この辺にくると私の体力も限界に近く、100m毎に休憩と言ってもいいくらい休憩が多くなってくる。
なんか意識も朦朧としているような気がしないでもない。
死にかけては甦り、死にかけては甦りを延々と繰り返す。
ほとんどアンデッドな気分である。
ちょっと歩いては休むのだが、私にも意地というものがちょっとだけあり、写真を撮る振りとか飲み物を飲む振りとかでごまかしてみたりするのがなかなかかわいい。
その脇をハンドバッグを抱えたおねーちゃんがすたすたと登っていくのは気のせいだろう。
道の端で呼吸を整えていると、降りてきた人が「すみませんねぇ」とお礼を言ってくれる。
はい、道を譲ってあげた振りをしつつ休憩を取るという高等テクニックです。
感謝されるというおまけつきで、好青年度も上昇する。
しかし、気温はかなり低いというのに汗が冷える前に乾いてしまうのは、湿度が低いのか、それとも太陽の光が強いせいなのか。
汗が冷えて風邪をひくんじゃないかという心配は全く無用であった。
頂上手前にあるのに山頂小屋という、なんか人をなめているような名前の小屋で思いっきり長時間座って休憩していたのは私だ。
ここの日影にある温度計は3.5℃を示している。
相当に寒いはずなのだが、上着なしで全然寒くないというのはなんだろう。
回りの人の厚着が謎である。
これが頂上の証し。
三角点とか言うんだっけ?
頂上で御満悦のK氏
見るからに好青年な写真である。
頂上ではなぜか撮影係となってしまい、延々と他人の写真を撮らされるはめに。
いったん開放されたものの、景色を見ようと三角点付近を横切るとまた呼びとめられて撮影係に。
日本で10番目に高い山に来てまでこれだ。
好青年ぶり全開である。
やっと撮影係から開放されたあと、のんびり食事をとる。
頂上には30分以上はいただろう。
食べたあとにすぐ運動をするのはよくないということで。
けっして疲れ切って動けなかったわけではない。
その証拠に撮影係をさせられていたじゃあないか。
他人の写真ばかりというのもなんなので、自分用の写真も。
いわゆるこのページ用のネタというやつ。
頂上から見たコロナ観測所。
雲があって視界がそれほど開けていないので、頂上からの撮影スポットというとこの観測所と権現池くらい。
西から北方向のパノラマ。
多少雲海らしきものも見える。
写真をクリックすると縮小していない解像度の高いフルサイズ版の写真が見れます。
サイズは2MB弱。
フルサイズの写真はかなり迫力がある。
北から東方向のパノラマ。
同じくフルサイズ版は2MB弱。
東から南方向のパノラマ。
フルサイズ版はなぜか小さく350KB。
くだりは息が切れることや心臓が破裂しそうになることもなく、単に足の疲れだけでかなりのペースで降りてこれた。
途中にある小さい山(というほどでもないが)にも寄り道する余裕。
とかいいつつ、肩の小屋近くで足をすべらせてコケたのは内緒。
駐車場手前では、お花畑コースを取ることに。
これが失敗。
お花畑週回路までのルートは斜度は急で岩がごろごろ。
さらに極めつけ、そこから駐車場に登る階段が今回の登山で一番きつかったのではないかと思うほど。
体力を使い果した好青年には非常に辛い。
幸いなことに、家族連れが写真を撮っていたのでそれが終わるのを待つ振りをして休憩。
あと数メートルで駐車場というところで、本当に死ぬかと思ったぜ。
バイクのところに戻り、水分を補給する。
天気がいいというのに吐く息が白いので、気温もかなり低いのだろう。
なんだか指がむくんでいるみたいで、握力もなくなっているようだ。
こんなんで残りの行程は大丈夫なのだろうか?。
|