今まで使っていたオーブントースターが、さすがに古くなってきたので新しいのに買い替えた。
型番は三菱製のBO-J5Vである。
(最近部屋に三菱の家電品が増殖している気がする)
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別になんてことないオーブントースターであるが、とりあえず古いやつと比較した特徴を紹介しておく。
- 奥行きが深いので、大き目の物も入れられる
- 4段階の火力調整
- くず受けが取りはずし可能
- 付属トレイが底部に収納可能
- 網とトレイがテフロンコーティング
という感じで、閉店処分価格の大安売りで買った割にはなかなかの性能である。
ところが、やはり不満点が出てきた。
ったりめーだ。
買ってそのままの状態で私の気に入るものなんてそうそうないのだから(笑)。
その不満点というのが火力切り替えなのだが、表のようになっている。
火力切り替え
火力 |
上ヒーター |
下ヒーター |
1000W |
500W |
500W |
750W |
250W |
500W |
500W |
250W |
250W |
250W |
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250W |
つまり、1000Wと500W以外では、必ず下のほうのヒーターの火力が大きくなっている。
私がよく焼くのは、パンや冷凍ピザ、時々ナンや餅という感じなので、上下均等か上のヒーターが強いほうが使いやすいと思うのだが、ちゃんと料理をする人は違うのだろうか。
確かに、トレイを使う場合は下の熱がトレイに遮られるのでその分強くしたほうがいいのかもしれない。
けど、私はめったにトレイを使わない。
そもそも、下のヒーターが強いと、下がこげているのに気付かないではないか。
これは致命的だと思う。
私としては、こんなのは上下それぞれのヒーターに対して 強/弱/切 のスイッチをつけておけばいいんじゃないかと思うんだが、世間的にはそういうのは好まれないということか。
けど、私は押しつけの設定は嫌いだ。
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と、いう訳で、早速改造である。
一応断っておくが、この手の改造をするとメーカーの保証は効かなくなるうえに、事故がおこっても誰も責任を取ってくれない。
また、私のように狭いところに押しこんで使っていると(取説には周囲に充分な空間を用意するように書いてある)フルパワーにすると温度ヒューズが作動してしまうが、この手の問題(温度ヒューズが壊れた場合とか)もふくめて何をどうやったらどうなるのかというのを理解したうえで使う必要がある。
てな事をいちいち書きたくはないのだけど、予備知識も仕入れずに手を出す&他人に頼る・責任を放棄する人が実在するので、念を押しておく。
まねして問題がおこって(下手すりゃ火事になるからね)も私に責任を押しつけないでほしい。
まず、配線を確認する。
とりあえず開けてみる。
これが、切り替えスイッチやタイマーがある側(右側)の中身。
前記の表でわかるように、火力の切り替えでは500Wと250Wの組み合わせとなっている。
250Wのほうは、ダイオードで半波整流することで作り出しており、ダイオードを通過しないものとしたもののどちらかを選択することで500Wと250Wを切り替えている。
上下のヒーターそれぞれに切り替えを行っているため、さぞ複雑なスイッチだろうと思ったが、動作は複雑だが構造は簡単なものであった。
火力調節つまみには何段かになったカムが取り付けてあり、そのカムで板バネスイッチを押すことでつまみの角度に対応した接点のON/OFFが行える。
ちょっと見にくいが、下中央に青と赤の線が行っているのが整流ダイオード。
そのやや上に、タイマーから赤い線が伸びてきているのが下ヒーター。
中央上の白い線が来ているのが上ヒーター。
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これが左側の中身。
配線が共通になっているので、右側の方の改造だけですむことがわかる。
左側の改造が入ると話はややこしくなるが、今回の(って、次回はないと思うけど)改造は右側だけなので、わざわざ回路図を起こして検討する必要はないだろう。
さらに、目的とする動作がヒーターの動作の上側と下側を入れ換えるだけで実現できるということは、上のヒーターに行っている線と下のヒーターに行っている線を入れ換えれば済むという、非常に簡単な結論となった。
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具体的には、スイッチ下側に接続されている白い線と赤い線を入れ替える。
と、いうのは簡単だが、実は線を入れ換えると短い方の線(赤い線)の長さが足りなくなるのである。
この線、それなりの電流を流すうえに、温度が高くなる所なので普通のビニール電線が使えない。
もともと付いていた線も、耐熱被覆の線である。
この線が手に入れば問題はないのだが、そうそう売っているとも思えないし、改造を始めてしまった以上、今から買いに行くのも面倒くさい。
そこで、手元にあった錫メッキ線を撚ってどこの家庭にでもあると思われる熱収縮チューブをかぶせたもので延長した。
取り付けが多少ぎこちない感じがするが、つけば勝ちである。
さて、動作の確認をしてみたところ、あたりまえではあるが見事に目的通りの動作となった。
この手のAC100Vを直接使う装置の動作確認はちょっと緊張する。
下手すりゃ感電、もっと下手するとブレーカーが落ちてしまう。
ちゃんと動いてくれてよかったよかった。
少なくとも私にとっては非常に使いやすい非ノーマルスペシャルオーブントースターのできあがりである。
ふふふ、ざまーみろ。
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