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しかし見ての通り当日は曇り。どんなに頑張ってもくっきりした写真なぞ撮れそうもない。ぼけた写真で十分と割り切る。
なにしろ直前には雨が降ったりしてまさか見られるとは思っていなかったくらいなのである。
雲に隠れると太陽を見失う。時間とともに太陽は移動していく。
雲が薄くなったときに太陽を探して中央付近にとらえ、タイマーを使ってシャッターを切る。三脚のガタもあるのでなかなかうまくとらえることができない。なんちゃって天文ファンは装備が貧弱なのである。
さらに雲の厚みで明るさが変わるので絞りやシャッタースピードを固定して安定した明るさにすることも困難である。
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これが一番それっぽい写真。
見ようによっては幻想的といえなくもない。
フィルターを通した緑色も不思議な雰囲気を醸し出している。
結局露出はオートに任せるのだが、金環食の場合は中央が暗くて周囲が明るいのでまずは周囲の明るさに合わせてから撮るのである。しかしながらそううまくもいかない。
そんなわけで妙にまぶしい写真になったわけだが、それはそれでよしとしよう。
ちなみにこの写真、天井の蛍光灯といっても信じる人がいそうである。
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時間的には上の写真のあとなのだが、雲のかかり具合で順番が逆のように見える。
雲が薄くなったら太陽を探してフレームに納め、さらに雲が薄くなるタイミングを予想して2秒タイマーでシャッターを切る。ちょっとタイミングを外すと雲に隠れてしまう。ほとんど運任せである。
ちなみに雲がもうちょっと厚くなるとフィルター越しでは見えなくなる。そのときは肉眼で十分観測できる。
おかげで肉眼での観測もできたので、曇りの日も捨てたものではない。
雲が薄くなってまぶしくなりそうになったら太陽グラスを使えばいい。
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これもまあまあの写りである。
もうピントが甘いとかブレているとか露光がおかしいとかそんなのは気にしない。
そんなのを超越したところに神秘があるのである。
こうして見ると雲の雰囲気もなかなかにいい感じに思えてくるではないか。
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とかいっているうちに金環食も終わり、月が太陽から離れていく。
本当はこのあともしばらく観察していたかったのだが、残念なことに雲が厚くなってきたので中止して通勤準備に入ったのである。
時々光が射していたのでまだ観測可能だったのかもしれないが、そういう理由で遅刻するわけにもいかず。
ということで、最後の写真は「オーロラと月」ということにしておこう。
結果からすると肉眼でもそれほどまぶしさを感じることなく観測できたので、カメラもフィルターをつけずに撮影した方がよかったのかもしれない。
けど、かんじんな時に雲が切れてフィルターなしでは撮れなくなる可能性を考えるとそこまで割り切ることもできないのがなんちゃって天文ファンである。
とりあえず写真のできはおいといて、こういう現象があったという記録を残しておく。
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