洗濯機改造

 普通はやらないであろう洗濯機の改造。
 今回も「すぐにもとに戻せる」程度のお手軽改造である。

本日のお題

風呂水ポンプ これが本日のお題、風呂水汲み上げ用のポンプである。風呂の残り湯を有効利用できるうえに、ぬるま湯を使うことで洗剤の溶けもよい。
 かなり使いこんで古くなっているが、ちゃんと使えている。

 このポンプ、洗濯機の給水タイミングに合わせて人間がスイッチのON/OFFを行なわないといけないのが辛いところ。このポンプを使うのは寒い季節なので、わざわざ洗濯機のある寒い場所まで出向いて操作をするのも辛い。
 洗濯機も、給水しながら軽く回して洗剤を溶かし、少なめの水量で一旦給水を止めて洗濯槽を回し、再び本来の水量まで給水を行なうので、まじめにそれに対応しようとするとかなりまめに行ったり来たりをすることとなる。もちろんそんなまめなことはしないが。
 で、どうせ風呂の残り湯を使うのなら2回行なうすすぎのうち最初の一回も風呂のお湯を使いたいと思うのが人情である。けど、そこまで洗濯機につきあうのはかなり面倒である。

 ということで、このポンプを洗濯機の給水タイミングに合わせて制御してしまおうというのが今回の企画である。

注意書き

回路図 で、改造する前に洗濯機の後ろを見ると、回路図が書いてある。
 冷蔵庫とか洗濯機なんかはよくこの手の回路図がついている。
 この洗濯機のラインナップには風呂水ポンプ機能がついているのがあり、回路図によるとその部分の部品は実装されていないこととなっている。
 それならばこの辺の回路をうまく使えばなんとかなるのではないかとアタリをつけるのである。
 しかし、この回路図の右上に方になにか書いてある。

注意書き えっと、なんか書いてある・・・。
 なんか書いてあるのだが見なかったことに。

 ちなみに、この手の改造は洗濯機を壊すどころか火事になる可能性もあるのでこのページを見て「なるほど、こうやればいいのか」とわかる人のみ実行してほしい。よくわかんないんだけど、という人は手を出さないように。
 そんな訳なので、当然「具体的にどうするのですか?」などという質問をしてはいけない。
 というか、実行する人なんかいるんかい(笑)。

作業

隠しぶた 家電品というのはネジが外から見えないように作ってあるものである。
 いかにも「このネジをはずしたら分解できるよ」などという造りなのはIOデータのUSB接続のHDDで、これはこれで簡単にHDDの交換ができて便利だったりするのだが、この洗濯機はちゃんとネジが隠してある。
 大体この手の隠しぶたを開けると中にネジがいる。

給水口部分 ちなみにこの給水口のところもこんな構造になっているが、この中にはネジはない。
 他のネジをはずし、ここを開けることでその隙間分表面パネルがスライドし、パネルが外れるようになっている。ということを今回初めて知った(笑)。

基板部分 で、パネルをはずすと基板が見える。
 と簡単に書くが、実は基板がこんなところにあるとは思ってもなく、背面の板金をはずしたりしていたのは内緒。さらに、その板金を止めているネジが一つバカになってしまったのも内緒。

 さて、それじゃあ基板を改造しようかなどと思ってよく見ると、基板は樹脂で固められていていじることができない。
 うーむ困ったといろいろ眺めてみると・・・。

ソレノイド弁 なんと、給水口のところにある電磁弁はファストン端子ではないか。
 写真中央やや左の白い部分がファストン端子の入っているコネクタ。
 ということは、この弁を動かしている電気をもらえば給水タイミングに合わせてポンプを動かすことができるわけだ。

分岐ケーブル ということでホームセンターに走り、端子と圧着工具を買ってくる。
 で、作ったのがこんなケーブル。
 端子と端子の間に入れるためにオスとメスのコネクタを接続し、一方から外部に電気を取り出すための線を分岐させる。
 ま、こんなところにある電磁弁だからAC100Vで制御しているに決まっている。(一応確認したけどね)
 というわけでこんなこともあろうかと会社から100Vで駆動するジャンクのリレーを拾ってきていたのである。なかなかいい読みだな。

ケーブルの接続 こんな感じで本来の配線と電磁弁の間に作ったケーブルを入れこみ、分岐の先はパネルの隙間から外に出してリレーのコイル側に繋げておく。

リレー リレーの方はこんな感じ。
 生意気な事にリレーソケットを使っているんでリレーの交換も簡単。というか、一回の洗濯で数回のON/OFFなんで、交換する必要があるほどの回数を使うのかどうか。ま、ジャンク品だから交換も考えておこうというわけだ。
 そういうソケットも実はジャンク品。

 リレーの接点側でAC100VをON/OFFするので、接点にはACプラグとコンセントをそれぞれ繋げておく。
 たまたま複数接点のリレーを拾ってきたので、AC100Vは両切りである。思いっきり自己満足の世界。

ポンプとリレー そしてポンプを繋げるとこんな感じとなる。
 これでコンセントにプラグを差し込んでポンプのスイッチを入れておき、洗濯機に繋がっているホースの蛇口を閉じておけば、わざわざ人間様がスイッチを切り替えに行かなくても自動的に必要な時に風呂の残り湯を汲みあげてくれる。
 ポンプのスイッチをOFFにして蛇口を開けておけば従来通り水道の水を使うこともできる。

 さて、大成功に思えた今回の改造だが、最後のすすぎくらいは水道水でやりたいところなので、やはりそのタイミングでポンプと水道を切り替えにいかないといけない。
 うっかりこれを忘れると残り湯ですすぎをするはめになってしまう。
 もうちょっと真剣に制御回路を設計すればこの辺もなんとかできるとは思うのだが、さすがにそこまではやる気がない。

 少なくとも洗濯機までの往復回数が大幅に減ったので、今回の改造は中成功ということにしておこう。

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