スーパースリムLANケーブル

 以前、LANケーブルに関して調べていたときに、どこかのホームページにとても素敵なLANケーブルが紹介されていたので、試しに作ってみた。
 結果からいうと充分使い物になるようなので、他の人にも広めることにした。


 説明をする前に左の写真を見てほしい。

 左が今回作成したスーパースリムLANケーブル。
 中央が一般に売られているスリムLANケーブル。
 右が何のへんてつもない普通のLANケーブル。

 スリムLANケーブルが細いのは、普通のLANケーブルが8本の線を使っているのに対し、4本の線だけを使って作られているため、その分細くできるというわけである。
 ちなみに、LANとして使うには4本だけで充分なのである。
 ISDNに使うには8本いるらしいが。

 スーパースリムLANケーブルも4本の線を使用しているが、線自体が細いものを使っているため、スリムLANケーブルよりもさらに細くなっている。
 ま、世の中にはさらに細い(薄い)LANケーブルも売られているが、値段がやや高めなのと、市販品をそのまま買って使うのは脳がないということで、自作するわけである。


 こっちが横から見た写真。
 市販されているケーブルは横から見ても太さにかわりはないが、このスーパースリムLANケーブルは横からみるとさらに細いことがわかると思う。

 さて、このケーブルの正体だが、実はただの電話線なのである。
 1と2、3と6をそれぞれペアとして結線することでストレートケーブルとなる。
 クロスにする場合は1と2のペアを反対のコネクタの3と6に入れてあげればよい。
 1番は、最初の写真(抜け止めの爪のあるほうを手前にした状態)の右側である。
 圧着する際に、電話線の太さだと細すぎて被覆をしっかり押さえることができず、圧着部分に力が加わって接触不良を起こしそうだったので、その部分にはビニールテープを巻いている。
 ここだけちょっとオリジナル(笑)。

 ちなみに、LANケーブルはそれぞれのペアが撚ってあって外部のノイズに対して強くなっているのだが、電話線はそんな気の効いた構造ではなく、それぞれの線が平行になっているだけなのでノイズには弱そうである。
 通常のLANケーブルでも上記のペアを無視して単純に1番から順番にストレート結線をした場合、10BASEでは100mで使えても100BASEだと10mでも使えなくなることがあるので、かなり心配であるが、2m程度であれば100BASEでも問題なく使えた。
 どのくらいの長さまで使えるのかは試していないが、デスクトップとノートを隣り合わせにおいて使うぶんには全く問題はないし、ノートパソコンを持ち運ぶ際、2mほどのスーパースリムLANケーブルを持ち歩くことでFDDやCDDなどは他のPCのを貸してもらうことができ、これらのドライブがついていないPCでも行動範囲が広がることとなる。
 また、データの受け渡しも外部メディアを使用することなく高速に行なえるので仕事をスマートにこなしている雰囲気をかもしだせる。
 線が柔らかいので小さくたためるうえに引き回しもやりやすい。
 まさに持ち運びにうってつけといえるだろう。

 よそ様の会社のLANに入らせてもらうのは気がひけるので(というか、断られる場合が多いだろう)、10cmほどの長さのクロスケーブルとLAN用の中継コネクタを持っていけば、社内のLANから切り離して2台だけのLANを構築できるので、これであればFDDなども借りやすくなるのでお奨めである。
 もちろんLANの設定の仕方がわかっていること(ほとんどの場合、相手は設定を知らないと考えていい)と、終わった後には設定をもと通りに戻しておくこと、自分のPCのフォルダを共有に設定して相手にファイルを取ってもらうのが礼儀である。
 こちらから相手のPCを覗くのは、相手の許可がない限りはやるべきではないだろう。

 インターネットの接続におけるモデムの普及とLANの普及を考えると、モデムの方が古くから使われているうえに、最近のPCはモデム内蔵のものが多い。
 そうすると、LANでインターネットに接続している場合は付属のモデム用の電話線が余ることとなる。
 このようにして余った電話線はどこの家庭でも2〜3本はあることだろう。
 そういうのを活用してLANケーブルを作るのは環境に対してもやさしい行為といえる。
 ただし、中には2本しか線のない電話線もある(電話は基本的には2本で使える)ので、その手のケーブルが付属していた場合は活用できないが。

 これでLANがより身近なものなったことであろう。



 せっかくなので、LANケーブルの結線をメモしておく。


 左の写真の上側が1番ピンで、右の写真の角度からみると、手前が8番ピン。

ピン接続
番号 信号名
1 TX+ 白/橙
2 TX-
3 RX+ 白/緑
4 未使用
5 未使用 白/青
6 RX-
7 未使用 白/茶
8 未使用
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