ThinkPad S30 HDD交換
前置き
さて、去年(2,001年)の11月にIBMのThinkPad S30(以下TPS30)を購入したのだが、こいつのHDDがなかなかにうるさい。
今まで使っていたお出かけパソコンのあみちゃんに比べてもはるかにうるさい。
音が耳ざわりなのである。
最初からついているHDDはIBMのDJSA-220という20GBのやつ。
普段使うぶんには我慢できるのだが、夏が近づいて暑くなるに従い、PCを置いている部屋と寝ている部屋の間の戸を開けるようになってくる。
すると、寝ているときにこの音がうるさいのである。
TPS30はPCで制御可能な学習リモコン、クロッサム2+を使用してタイマー録画をするために使っているので、常時電源は入りっぱなしである。
なので、夜中でもHDDが回っている。
一定時間経過したらHDDを止めるように設定しているはずなのだが、なぜかほとんどの時間回っている。
そんなわけで、うるさいのである。
さすがに我慢できなくなってきたので、HDDを交換することにした。
新しいHDDはIBMのIC25N040ATCS04という長ったらしい名前の今はやりの流体軸受の40GBのやつ。
静かだと評判である。
思ったほどすんなりとは行かなかったんで、今後のことも考えて作業内容を記録しておくことにした。
あくまで作業メモなんで、内容は不親切。
「S30」「HDD交換」などで検索すると、より詳しく説明をしているサイトがあるので、詳細はそちらを参照。
私もそういうのを参照にして作業をしたので(笑)。
前準備
まず、起動用フロッピーを作成しておく。
MOやCD等のDOSから読める大容量メディアが使えるようにしておくのは当然。
この辺でよくわからないという人は、おとなしくIBMからリカバリーCDを購入したほうがいいだろう。
すべては Disk to Disk(以下D2D)などというよくわからない機能がついているのがいけない。
MBM(マルチブートマネージャー)というプログラムを用意し、起動用フロッピーに仕込んでおく。
MBMは検索すればすぐに見つかる。
FDISKより便利かも。
D2D領域のファイルをすべてCD-R等のDOSから読めるメディアにコピーしておく。
D2D領域は通常は見えない領域となっているが、パーティション操作ソフトを使うことで見えるようになる。
Windows2000の場合は、管理ツールのディスクの管理でドライブレターを割りあてることで見えるようになるらしい。
で、見えているうちに(って、何もしなければ勝手にみえなくなることはないが)MOやCD-R等にコピーしてしまうのである。
隠しファイル扱いになっているシステムファイルも忘れずにコピーすること。
Windowsのエクスプローラーは、何も設定しないと隠しファイルやシステムファイル、はては拡張子さえ表示しないどしろーと向け設定になっているので、注意が必要である。
この意味がわからない人は、多分失敗する可能性が高いので素直にIBMからリカバリーCDを購入することを奨める。
それともう一つ、起動時にF11を押して出てくるユーティリティプログラムでリカバリーディスクを作っておく。
HDD交換作業
HDDをはずすには、本体下面のネジを7本はずすだけでよい。
どのネジをはずすのかは悩む必要はない。
丁寧なことに矢印が書いてある。
ネジをはずすとキーボードが外れる。
メモリーの増設なんかもこの状態で可能である。
キーボードは写真中央のタブ状になったものを引っ張ることでコネクタが外れ、取りはずすことができる。
この写真ではLEDがついているが、コネクタをはずすときには必ず電源を切ってからはずすこと。
また、バッテリーもはずしておいたほうがいいだろう。
HDDのケーブルのコネクタ(写真の右よりにあるやつ)は、両側(写真だと手前と向こう側)をつまんで上に引っ張れば外れる。
で、通常はHDDを固定しているネジをはずすのだが、TPS30にはそれらしいものが見当たらない。
写真をよくよく見ると、HDDの上の板金になにか書いてある。
STARTとEND。
そう、この板金がHDDを押さえているのである。
この板金をスライドさせることで、簡単にHDDが取りはずせる。
出荷時にこれがしっかりはまってなくて、変な音を出しているという話も聞いたことがある。
HDDについているコネクタにも、ビニール(じゃないんだけどね)のひもが付いているんで、こいつを引っ張ることでコネクタのピンを曲げることなく、ケーブルを切ることなくはずせる。
あとは新しいHDDをつけて組み上げるだけである。
このように交換が非常に簡単なので、こういううるさいHDDがついていても気軽にHDDの交換ができる。
で、やっぱりIBMのを買ってしまう辺りがちょっと弱気。
東芝のは多少音が大きいという噂を見かけたし。
ひょっとして、このうるさいHDDはIBMのドライブを売るための作戦なのだろうか?。
Disk to Disk領域作成
HDD交換後、フロッピーから起動し、MBMでパーティションを作成する。
もちろんフロッピー起動なんでDOSプロンプトでの作業である。
DOSなんか知らないという人は、悪いことは言わないからIBMからリカバリーCDを購入するのが身のためだろう。
MBM EDIT でMBMを編集モードで起動し、PageUP/Downキーでファイルシステムを選び、シリンダー数を適当(笑)に入れて任意のサイズにすればよい。
D2D用に660MB程の領域を確保しておくのを忘れないように。
通常起動する領域とD2D領域はDOS FAT32Xの必要があるようだ。
さらにパーティションを切りたい場合は拡張領域を作成すればよい。
パーティションを切り終わったら再起動して各ドライブをフォーマットする。
念のため、外部ドライブを認識させないで起動した方がいいだろう。
ボリュームラベルを聞いてきたら、起動領域にはIBM_PRELOAD、D2D領域にはIBM_SERVICEと入力する。
今度はCD等を読める状態にして起動し、コピーしておいたD2D領域のファイルをすべてHDDのD2D領域にコピーする。
DOS付属のXCOPYとかVZユーザー必携のZCOPY(懐かしいっすねぇ)を使えば一発。
そうそう、システムファイルなどの普通じゃ見えない隠しファイルもコピーするのを忘れずに。
DOSのツールだと普通は見えなかったりするんで。
コピーを開始する前にCD等からSYS D:(D2D領域のドライブ)とやっておけばシステムファイルはコピーされる。
この時に、MBM INSTALLでHDDにMBMをインストールしておく。
コピーが終わったらHDDから起動すると、MBMのブートメニューが出るので、そこで通常起動の領域をアクティブに、D2Dの領域をマスクに指定する。
具体的な方法は、ブートメニューが出ているときにF1を押すと簡単な説明が出るのでわかるだろう。
あとはリカバリーディスクで起動してD2Dが使えるようにし、フロッピーを抜いて再起動してF11を押せば、購入時と同様の環境になる。
よかったよかった。
けど、それからのアプリのインストールと設定がぢごくなんだが・・・。
リカバリーディスクのやっていることは、HDDのブート領域を書き換えてD2D領域から起動できるようにすることのようだ。
だからといって、リカバリーディスクを使わずにMBMのメニューでD2Dから起動させても、起動はするが途中でエラーを出してインストールまで辿り着けない。
(とりあえず試してみた)
けど、ボリュームラベルが固定なのはなんかいやだよなぁ。
これを書き換えたらやっぱりインストールできないんだろうか?。
いまさら試す気にはなれないが。
交換後のHDDは、嘘のように静かである。
というか、ノートPCなんだからこのくらいが普通で、最初からついていたのがうるさすぎるとも言うが。
さすがにアクセス時のカラカラ音は多少うるさいが、通常の回転音が静かになったために気になってきたという程度で、それほど気にするものではない。
容量も増えたし、満足な結果といってもいいだろう。
個人的には、D2DなんかいらないからリカバリーCDをつけてほしいと思うぞ。
OSを使うためではなく、アプリケーションを使うためにPCを買ったのだから、OSだけいつでもどこでも簡単にセットアップできても意味が無いのだ。
D2Dのおかげで、HDD交換が厄介になっているのは確かだし。
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