やきいも

 風邪をひいたようである。流行には無頓着な私であるが、昔から扁桃腺が弱く、この手の流行にだけは敏感らしい。医者に行って風邪薬とうがい薬をもらってきた。はやりのインフルエンザではないらしいのが幸い。

 正月休みが終わってアパートに帰ってくると、休みの間の強風で入り口の回りに落ち葉がうず高く積みあがっていた。
 かさばる物のため、集めて捨てるのも面倒だったのでそのままにしておいたが、さすがにいつまでも入り口が散らかっていると大家さんに人格を疑われかねない(笑)。
 そこで処分をすることにしたのだが、どうせなら有効に使いたい。

 さて、落ち葉とくれば焚き火である。焚き火とくれば焼きいもである。このために既にさつまいもを買ってあるのだ。
 いくら秘境のアパートとはいえ、コンクリートにじかに焚き火をするのは問題である。かといって人様が車を止めている駐車場のじゃりの上というのも問題。さてどうするか。
 場所がなければ安全に焚き火ができる環境を作るのである。


 幸い会社に業者さんがお歳暮に持ってきたせんべいの空き缶がある。これに穴を開けて簡易焚き火装置を作った。なかなかいい感じである。
 あとはさつまいもと落ち葉、ついでに燃えるゴミ(笑)を用意しておく。

 いもを洗い、アルミホイルでくるみ、落ち葉がい感じに燃えあがった頃に投げこんでおく。

 かなりの量の落ち葉があるので、いもは灰の中に埋まっていく。落ち葉以外にも捨てる予定の新聞や雑誌などのゴミも燃やすが、結構量があり、缶からあふれてしまって全部燃やしきれなかった。
 寒さのせいなのか、煙のせいなのか、鼻水と涙にまみれての焚き火である。

 とりあえず落ち葉は処分できたので、焚き火はこれでおしまい。さつまいもを掘り出すと、ほっくりと焼けている。中まで火が通り、非常にうまい。灰の中で時間をかけて焼いたのがよかったらしい。
 土曜日曜と二日続けて楽しんでしまった。これはちょっと癖になりそうである。

うまそうでしょ〜〜

 アルミホイルの内側に水をため、たくさん巻くのが表面だけを焦がさずにすむのでいいみたいである。焼く時間は30〜40分くらいか?。

 ちなみに、やきいもは遠赤外線で60〜80℃くらいで加熱するのがいいと聞いたことがある。直接火にあてるよりも灰の中の余熱で焼くのがいいということか。
 また、神社とかに敷きつめてある小さいじゃりをいらなくなった鍋に詰め、弱火でいもを焼くと石焼きいもが家庭でも楽しめるそうなので、いつかこれも試してみたい。
 神社からじゃりを持ってくると、御利益があるのかバチが当たるのか?。
 ほかに小粒のじゃりが手に入る場所はないものか。

 それにしても、寒い中こんなことをやっていて風邪は癒るのだろうか?。
 

後日談

 フライパンでやきいもを試してみた。
 1回目はあまりうまくいかなかったが、2回目はそこそこうまくできた。

 しかしながら、熱伝導がフライパンの中の空気とコンロで熱せられた底からのものによるため、底に当たっている部分がこげやすく、その他の部分は熱の伝わりが悪い。なかなか難しいものがある。
 あまり弱火にするよりも、中火よりやや弱いくらいのほうがうまくできるが、それでも焚き火の中に投げこんでいるよりも時間がかかるしこげやすい。
 次はいよいよ石やきいもか。

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