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DJEBEL250XCのよく聞くトラブルとして、オイル漏れがある。
私のも、妙にセルモーター左側がべとついているのが気になっていた。
写真ではちょっと見づらいが、セルモーターの下半分が黒ずんでいる。
チェーンのオイルが飛んでいるのかと思っていたが、ある日エンジンをかけた状態でバイクを左に傾けたところオイルがポタポタと滴れてきた。
そう、どこかからオイルが漏れているのである。
傾けないと漏れてこないということは、割と上のほうだろう。
その辺にあるオイル漏れの原因になりそうなものといえば、発電器のコイルから出てきている電線くらいしかない。
多分その線とケースの間にあるゴムブッシュの劣化と当たりをつけた。
しかし、これを替えるとするとコイルごと変えないといけないので、金額的にもちょっと痛い。
とりあえずは接着剤を充填して様子を見たが、やはりなおったとはいいがたい。
液体パッキンを詰めこんでごまかす方針を固め、カバーを開けることにした。
ここを開けるということは、替えのガスケットを買っておかないといけないので、部品が手元に来るのを待って作業開始。
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まず、セルモーターのアイドルギアのカバーをはずす。
これを止めているネジはかなり堅いので、ショックドライバーを使う。
ネジが外れるとカバーが取れる、と思いきや、なかなかカバーが外れない。
Oリングにより摩擦が大きいらしい。
また、全体的にはずさないと噛みこんでしまうようなので、隙間を広げつつ少しずつ地道にはずす。
はずすというよりも抜くといったほうが雰囲気は近い。
カバーが外れると、中に入っているギアとそのシャフトが転がり落ちるので注意が必要。
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次に、シフトペダルをはずし、マグネトーカバーを止めているボルトをはずしていく。
マグネトーカバーを止めているボルトは対角に少しずつ緩めていく。
また、ボルトの長さが何種類かあり、何ヶ所かはガスケットがついてるので、取り付ける場所を間違えないように順番においておく。
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カバーを開けてびっくり。
ガスケットの一部が切れている。
これが、もともと切れていたのかはずす時に切れたのかは謎だが。
簡単にはがれたというのもちょっと気になる。
普通はガスケットをはがすのはかなり大変な作業なのである。
今回も、作業の大半をガスケットはがしに費やしたようなものなのだ。
簡単にはがれたので、はずす時に切れたという見方もできるが。
よく見ると、ボルトの部分も切れている。
どちらかというと、こっちのほうが原因かもしれない。
ちなみに、当初原因と思われていたゴムブッシュのところはオイルが漏れてきそうな気配はなかった。
念のために液体パッキンを塗りこんでおいたが。
さて、せっかくなので各部の汚れを落として組み付けに入るのだが、ここで新たなる事実が判明。
エンジン側のボルト穴の一箇所には位置決めピンとかノックピンとかダウエルピンとか言われている取り付け位置を決めるためのパイプのようなものがつくのだが、これがついているのが左下側の一箇所のみ。
マグネトーカバーにボルトを通しておいて、ガスケットを通してからエンジン側につけようとすると、どうしてもこの位置決めピンに引っ掛かってガスケットを切りそうになる。
ガスケットを位置決めピンにひっかけておいてからカバーを取り付けようとすると、ガスケットの右上がどうしても下にずり落ち、さらにカバーについているコイルとエンジン側の磁石が引きあうので位置合わせが非常に大変なのである。
適当に位置を合わせてボルトを差し込むと、かなりの確率でガスケットを切ることになる。
位置決めピンをカバー側につけて作業するという手もあるが、そうすると位置決めピンが落ちたりして厄介である。
ひょっとして、この構造がトラブルの原因だったのかもしれない。
設計時に、この位置決めピンを右上のほうにも用意してくれていれば、ガスケットは二ヶ所でひっかけておけるので位置がずれる心配はなくなるのだが。
作業ミスというよりも、作業をしにくい設計というほうが正しいだろう。
このわずかなコストをけちったために、いったいどのくらいのジェベルがオイル漏れに悩まされたことだろう。
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そしてもう一ヶ所、オイルクーラーの下側のホースからもオイルにじみが。
高速道路を走るとエンジン右側が妙に汚れているので気になっていたのだが、このホースからもオイルがにじんでいた。
他にもここからのオイルもれでホースを替えたという人がいるので、私のバイクだけの現象ではないようだ。
曲がりがきついのでひびが入りやすいのだろうか?。
ちなみにこのホースはかなり高い。
一万円札が半分になるくらいである。
交換作業自体は簡単なのだが、値段が痛い。
そして、上記のマグネトーカバーからのオイル漏れよりも、こちらのオイルにじみのほうが、症状が進行した場合に深刻な問題となる。
この2点をなおしてからは、今のところ得体の知れないオイル汚れというのは起きていないようである。
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