猫の話その2

 正月休みに実家に帰ったら、がいた。
 にゃん はいなくなったはずなのに、玄関に猫のトイレが置いてあるので怪しいとは思ったのだが。
 なんでも、家の前で捨てられていたらしい。
 こいつもまた死にかけだったそうな。
 しかたがないので病院につれていって見てもらい、そのまま育てることにしたとか。


ちょっと迷惑〜〜  でもしあわせ〜〜

 それにしても拾ってから数か月だというのに、ずいぶん大きい。
 拾った時には相当小さかったらしいのだが。
 名前は「なぎ」というらしい。らしいというのは、例によってみんな好き勝手に呼んでいるからである。

 おねむ〜〜

 なぜ「なぎ」なのか。
 尻尾がやや太めで、先っちょが曲がっているのでそこだけさらに太く見える。
 それが「うなぎいぬ」(赤塚不二夫の漫画に出てくるやつですね)に似ているので「うなぎねこ」と呼んでいたのだが、あまりに不細工な名前なので略して「なぎ」になっているらしい。

 顔つきはにゃんの方が賢そうだった。
 見かけどおり頭はよくないような気がする(笑)。
 普通は知らない人が来ると警戒するのだが、 なぎ は知らない人が来ると寄っていくらしい。
 もともと飼われていた猫らしいので、警戒心は少ないようだ。
 さらに、食べ物も人間が食べる物で普通の猫は食べないような物でも、たいがい食べるらしい。

 さらに変なことに、なぎ は水が好きらしい。
 普通の猫は、水は飲むが水に足をつけるなんてことはしないはずなのだが、なぎ はたらいに水がたまっていると足でかき回して遊んでいるらしい。
 台所の流し台にもよく入っているようで、いつも足が濡れている。
 風呂が好きなのかどうかは謎だが、なんにせよ変な猫である。
 
 

今忙しいんだけど、なんか用か?

 私が部屋に入ろうとドア開けると、どこからともなく姿をあらわし、まっしぐらに階段を上ってきて部屋に駆け込むのはなかなかかわいい。
 で、ストーブの前で丸くなっている。
 2〜3時間ほど寝て目が醒めると、ところかまわずじゃれまくり、人の手を噛んだりひっかいたりしてくれる。
 20〜30分ほど遊んで疲れると、またストーブの前で寝る。
 全然食事をしている気配がないのだが、こいつはストーブの熱で充電する特殊な電池で動いているのではないだろうか?(笑)。

 にゃん の毛布ほどではないが、なぎ にもお気に入りがある。
 情けないことにスーパーの袋である。
 スーパーの袋に顔を突っ込みたがるというのはよくある話だが、なぎ はその中で丸まって落ちついてしまうのである。
 そのまま袋を持ちあげて運んでも、文句一つ言わずにおとなしくしている。
 ただ、この袋は、じゃれる時の格好の獲物でもあるので、すぐにぼろぼろになってしまうのが欠点である。


お気に入り〜〜  けど間抜け(笑)


袋が絡みついてもがいている

 なぎ はどうも鼻が悪いようで、湿布のにおいをかがせても(かがせるなよ)いやな顔をしないし、こぼれた灯油のにおいをかいでも全く動じない。
 本当に鼻が悪いのか、そういうにおいを気にしないやつなのかは不明だが、指を出すととりあえずにおいをかぎに来るという習性だけはちゃんとあるようだ。

じゃれる時だけは真剣

 それにしても、図体は大きくてもまだ子供なので、じゃれるのに熱中してくると思いっきり噛みついたりひっかりいたりする。
 おかげで、手や足が傷だらけになってしまったではないか。
 

 先日実家に帰ったら、なぎも4月の最初の週の頭に外に出かけたっきり帰ってこなくなったとのこと。
 まぁ、半分のら猫みたいな飼い方だからなぁ。
 もともと拾ってきた猫だし。
 きっとよそのうちでうまいご飯でももらっているのだろう。


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